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POSTED Saturday, November 2, 2019 15:02

直接言えなかったみんなへ

昨日横浜アリーナで読んだ手紙の全文です。:-)



ELLEGARDENは今年で結成21年目です。10年休んでたからその辺はよくわかんないんですが。


このバンドでライブをやり始めたとき、俺は客席から満面の笑顔で笑いかけてくれるみんなのことが一発で大好きになりました。振り返ればこの21年間、自分に誇れることなんて本当にほとんどないんだけど、一つだけ自信を持って言えることは、みんなは俺にとってほとんど生きる理由の全てでした。だから、みんなとは誠実に向き合って来たつもりでいます。


実は俺はみんなのことを、お客さんだと思ってはなかったりします。もちろん、レコードを買ってくれたり、チケットやTシャツを買ってくれてることは知っていますが、飯の種だと思ったことはありません。むしろ、失礼かもしれないんだけど、ファンだと思ったこともほとんどありません。俺はこの21年間、ライブのない日も含めて、みんなとずっと一緒に生きてきた感覚があります。


そんな人たちには、いつかこういう日が来たら必ず報告しようと決めていました。


俺、細美武士46歳、ようやく結婚することができました。


相手は一般の方なので紹介はしませんが、それは勘弁してください。いつか自分の子供の顔を見るのが、今から楽しみです。


さて、個人的な話が長くなってしまってすいません。今日でナナイロエレクトリックツアーが終わり、来年になると活動再開から3年目になります。少しずつですが、もともと自分たちのいた場所に近づいてきている気がしています。俺はこれからもみんなと生きて行きたいです。これからもよろしくお願いします。


さあ、野郎ども、ライブハウスへ帰ろうぜ。

POSTED Saturday, May 25, 2019 11:55

the HIATUSオフィシャル先行の不具合に関して

久々のブログ更新です。


the HIATUSのオフィシャルサイトにもすでに掲載されていますが、今回のハイエイタス新譜ツアーのオフィシャル先行で問題がありました。e+の申し込み時に、実際には存在しない席種(2Fのない会場で2F指定が申し込めるなど)を受け付けてしまっていました。e+の方では一週間ほど前から個別にメール、メッセージ、または電話などで連絡をとり、実在する席種での再申し込みをお願いしていましたが、この情報のハイエイタス公式サイトへの掲載が大幅に遅れてしまいました。


個別の連絡がつかず、期間内にチケットの再申し込みができなかった場合は、希望の席種に最も近いと思われる席種に申し込みを振り替えます。e+の方には、これらの申し込みの振り替え漏れが起きないこと、また、再申し込みをしてくれた人たちが重複申し込みなどで抽選から除外されることがないことを、確約してもらいました。


詳細は下記から確認できます。

the HIATUSオフィシャルサイト

e+掲載ページ


何より、この件の公式サイトへの掲載が遅くなってしまって本当にごめんなさい。

POSTED Sunday, January 20, 2019 21:12

ネパール旅行記⑥ 2017/01/31〜02/01

ブログ直りましたー!お待たせしました。以下、ネパール旅行記の最終回です。
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なんだかどの旅行記も最後の最後を書かずに終わってるのは、帰国のシーンを書きたいと思わないからなんじゃないかという気がしてくるほど、どの旅行記も最後の数日だけを書いていないのだが、実は一番書きたいと常々思っているのは最終日。結局はその手前で力尽きたか、「明日やろう」が何年にもなってしまっているだけの怠け者だ。ネパール旅行の最終回は、旅に出た日からほぼ丸2年経った今ごろ(ようやく)、記憶を辿りながら何とか書いています。

2017年1月31日、午前8時頃に目を覚ますと、相変わらず外の通りからは楽しそうな子供達の声や、1日の始まりを街全体で共有するような活気に満ちた喧騒が聞こえる。歯を磨きながら、まどろみの中でこの喧騒を初めて聞いた2日目の朝を思い出して、ずいぶんとここにも慣れたんだなと感じる。ここ2日の宿がかなり寒かったせいか、暖かいシャワーが出るだけで本当にありがたかった。さあいよいよこの部屋ともお別れだ。ありがとな、一人旅で過ごした部屋にはなぜだか友達のような思い入れを感じる。頭の中を駆け巡ったいろんな疑問をずいぶん一緒に考えてくれたし、何よりいつも安心させてくれて助かったよ。パッキングを終えて朝食を摂り、チェックアウトを済ませると、さあ最後にひと冒険、何が俺を待っているんだろうといういつもの気持ちでいっぱいになった。

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(↑この宿での最後の朝食。オムレツおいしかったです。)

最後の宿となるモンキーモンキーまでは徒歩で10分ほど。まずはドミトリーにチェックインすると、急遽一人旅になってしまった台湾人のトムと昼飯を喰いに行き、帰りは一人で土産物屋を回った。事務所スタッフに木彫りの土産物を見繕い、聞くとカジノがあるというのでフラリと行って2時間ほどブラックジャックで遊んでみる。ベーシックストラテジー(ブラックジャックの基本的な賭け方)はぼんやりとしか思い出せなかったので、ノラリクラリと賭けてトントンで退散。特に事件も起こらず最終日らしいのんびりとした時間が流れていった。最初の夜に適当に入ったレストラン、あの停電の起こったレストランに寄って夕食を摂ると、やっぱりこの店のダルバートが一番旨いな、そういえばここに来るまでに何回道に迷ったっけな、なんてことを考えた。

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(↑カジノの外観。なんていうかゴージャス。)

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(↑宿への帰り道。ここを歩いていると、最後の夜ということもあってか、時間のトンネルを抜けているような、なんとも不思議な気持ちになりました。)

その日モンキーモンキーで出会った男性は、カドマンドゥでヒューマン・トラフィッキングの追跡調査をしていると言っていた。ヒューマン・トラフィッキングとは、人身売買、人の密輸、人身取引と訳され、貧困のため国境を越えて売春組織に売られたり、誘拐されて児童労働を強いられたりすること。ネパールでは現在に至るまで、深刻なヒューマン・トラフィッキングの被害があると言われている。彼はその調査の途中、カトマンドゥの路上で男たちに囲まれたり、襲われたりしたこともあると言っていた。その夜モンキーモンキーの大きな居間では、映画の上映会が催され、参加していたみんなが観ていたのは"Fight Club"。デヴィット・フィンチャー監督の作品の中でも、とりわけ好きな映画だ。ブラッド・ピット扮するタイラー・ダーデンが放つ、"Things you own, ends up owning you. (お前は自分の持ち物に支配されている。)"という台詞は、今でも最も好きな台詞の一つだ。俺とルーカス、エミリアは変わらずバルコニーで語り合っていたのだが、自由人エミリアがとても人懐こい笑顔で居間を指差し、「私はね、あの中の一人になりたくないの」と言っていたのが印象的だった。大抵の場合こういうセリフには「わざわざそんなこと言わなくてもよくね」的な感情が伴うのだが、ここでは誰もが自由に過ごしていたので、あ、そうなんだ?としか思わなかったことをよく覚えている。

ベッドルームには二段ベットが少なくとも10脚ほどが設置されていて、一部屋に20人前後が寝ていることになる。俺のベッドは上側だったので、先に寝ている若者たちを起こさないように腐心したのだが、どうしてもギシギシと音を立ててしまう。ごめんな、でもドミトリー久しぶりだな、そう思いながら眠りについた。

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翌朝7時頃にそーっと、慎重にベッドを抜け出すと、居間に上がって朝食を摂った。それまで気がつかなかったのだが、居間から続く梯子を上った先に、屋根裏部屋のような小さなスペースがあり、そこからは小学校のような建物が見えた。校庭を元気に走り回る子供達の笑い声と、晴れ渡った空に吹く少し肌寒い風の音が、旅の終わりを静かに告げていた。ほんのいっとき感傷に浸ると、居間に降りて朝早く起きてきたルーカスに別れを告げる。

優しい男だったな。ずっと話し相手になってくれてありがとう。
「どうだい。結局今日帰るのか?もう一月ぐらい居たらどうだ」
と言うルーカスに、
「まあ、ここは俺の居場所じゃないからな。」
と応えた自分の言葉に少し驚いた。そうだよなぁ、俺には帰る場所がある。

意外にも予約の時間通りに現れたタクシーに乗り込み、空港へと向かう。何度か振り返った先には、昨夜カジノから歩いて戻った時の、現実感のない不思議な感覚は残っていなかった。窓の外を流れる景色はまるで初日の朝の時間を巻き戻すようで、ああ、あの店で喰ってみたいと思ったけど結局行けなかったな、そういえばここで道に迷ったっけな、なんて、一人旅の帰り道ではおなじみの感覚に襲われる。ネパールに降り立った朝と同じく、けたたましい喧騒と人でごった返した空港へたどり着くと、大して待たされることもなく出国手続きは終わり、搭乗便のゲート前でボケーっとしていた。乗客が機内へ案内され始めると、最後に一度、乾いたネパールの土を眺め、さよなら、いつかまた、と別れを告げた。

往路同様、タイのスワンナプーム国際空港でトランジットを待っていると、ずいぶんこの空港も慣れたもんだなと感じる。今までここで乗り換えたのは何回ぐらいになるんだろう?次はどこへ行こうかなあ、キューバ行ってみてえなあ。そういえば初日ここでめっちゃ仕事してたっけなあ。まあ、たかだか一週間の旅で何が変わるわけでもない。強くなったり、優しくなったりもしていない。きっと今回も日本に着いて最初に新鮮に感じるのは、空港から都内に戻る電車の中の静かさと、街中でクラクションの音が全くしないことなんだろうな。一人旅は孤独だ。今回の旅も、結局初日から最終日まで、誰とも話さない日なんて一日もなかったけれど、やっぱり一人旅が孤独であることに変わりはない。自由と孤独は抱き合わせなんだと、ピロウズ先輩が唄ってたっけな。

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かくしてそれなりに長い空の旅を終えて、無事に東京に帰り着くと、久かたぶりに自分ちのトイレに入るわけだ。うんこ(すいません)手で洗わなくていいんだな。っつーかウォシュレットってすごい発明だな。でもこの感謝の感覚もすぐに消える。それも知ってる。だいたい5日ぐらいかな。せめてもっと長く続いてくれたらいいのにな、なんて思うけど、人間はそんなに便利にはできていない。でもそれでも、旅は人生を豊かにしてくれる。

それだけは間違いない。(おわり)

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