POSTED Tuesday, May 10, 2022 15:35
Only pure white ash remains.
ロスへの旅が終わった。
自分以外の誰かからすれば「何を大袈裟な」って思われるのを承知の上で言うと、この3ヶ月は新しい冒険への出発だっただけではなく、同時に自分の過去への旅でもあり、大好きだった音楽との再会であり、なにより与えられた時間を必死に生きることの楽しさを知れた人生最高の旅だった。
間違いなくロスの太陽に本気の恋をしまったのだが、もしもこれが観光だったらきっとこうはならなかっただろうなとも思う。何をしていても、どこにいても、前向きになれるよう背中を押し続けてくれたのがあの太陽だったおかげで、俺は何にも負ける気がしなかった。
(↓スタジオのトイレの床。ここに座るときは大抵その日に作ってる曲のことで頭がいっぱいになってるんだけど、なんとなくこの模様が「笑」の文字に見えて気持ちが軽くなったことも多い。)
今は書き終えた曲たちを聴きながらこのブログを書いているのだが、ひたすら自分と向き合ったあの時間がギュウギュウに詰まっていて、何度聴いても涙が出そうになる。こんな冒険に出させてくれた全てに感謝が湧き上がる。
ここから先は本当に久しぶりにELLEGARDENの4人でひーこらと曲をいじっていくわけだけど、そこにはもうワクワクしかない。俺たちが休止するときに、次にまた集まるときまでにそれぞれ力をつけておこうっていう約束があった。本気でそれを信じていられたメンバーが俺を含めて果たしていたのかは今となっては分からないが、ただ、その約束を本物にするためにそれぞれが頑張ってきたことだけは間違いない。
(↓成田空港での一枚。ただいま。接触できないので5分ぐらいしか一緒にいられなかったけど。)
成田空港に降り立つと、高橋、ウブ、雄一の3人がサプライズで迎えに来てくれていた。俺もこの3ヶ月ずっと、お前らと一緒にいたんだよ。これでようやく、ELLEGARDENボーカル細美武士ですって久しぶりに胸を張って言えるなあ。
バイバイロサンゼルス。またすぐ会いにいくよ。
POSTED Friday, April 29, 2022 08:43
What you do today creates tomorrow.
そういえばスタジオに買い置きしてあるビール、昨日のが最後の一本だったよな。
そう思いたって、普段は前を通るだけのLiquor Shopに立ち寄る。Firestone Walkerの805、Negra Modelo、Coronaなんかが今のこっちの気候にはとても合うビールな気がしていて良く買っているのだが、今日はちょっと違うのを買っていこうかな、なんて思いつつ棚を眺めていると、ちょっとだけ懐かしく感じるAsahi Super Dryを発見した。「す・・スーパードライあるやん(そんなに珍しくもないが、どこにでも置いてあるわけではない)。。今日はこれにしてみよう」と6パックを手に取りレジへ向かうと、初老の男性オーナーらしき御仁。必ずそう、というわけでもないが、アメリカのキャッシャーでは割と雑談になることがある。IDの提示でパスポートを渡すと、会計の終わりに御仁がとても遠くを見るような目つきで話しかけてきた。
↓こないだ行ったベニスビーチ。マリブとは全然雰囲気が違うけど、どっちも楽しい。:-)
「このパスポート、すごい好きなんだよ」
「へ?なんで?」
「もう30年も前になるかなあ。2年間日本にいたことがあるんだ」
「仕事で行ってたの?」
「いや、学校に行ったんだ。東京の」
「留学かあ〜。なんて学校行ってたんですか?」
すると彼は必死に思い出そうとしてくれたのだが、いかんせん30年も前のことだ、こめかみのあたりを手のひらでトントンと叩きながら、「もう頭が回らなくてね笑 新宿とかよく思い出すよ」と少し寂しそうに言った。その仕草が俺はとても好きだった。ついと4人組のお客さんがドタドタと店に入ってきたのでそろそろかな、って感じで会話が終わりかけると、御仁が一言。
「ありがとう。お前のおかげでずいぶんと久しぶりに日本に行けたよ。」
素敵だなあ、と思いながら「うん。ちょくちょく寄るようにするよ。」と返し、スタジオへ向かった。
こういうとてもとても素敵な瞬間に溢れた3ヶ月が終わろうとしている。闘い抜いた自覚はある。後悔はない。そしてあと数回、全力で作曲に取り組む時間がまだ残されている。この街で出会った全ての物事への感謝を胸に、ロサンゼルスでの自分を思いっきり開放するつもりだ。
(↓ロスでのスタジオ作業風景。足元の照明はNano Leaf。設定に丸1日かかりました笑)
POSTED Wednesday, April 13, 2022 05:12
Gotta have my fun.
Malibu Beach Nightmareを最後に聴いてからどれぐらい経ってたんだろう?高校生のときもハノイ・ロックスがウォークマンの中で回り続ける日はあまりなかったように思うので、下手したら四半世紀ぶりに聴いているのかも知れない。サビの"Down the Malibu beach!"のフレーズに開放感があって、聴くといつも少し野生的な気分になれるので好きな曲だ。
その頃はMalibu Beachがロスにあって、自分が住む街から車で一時間ほどの距離にあって、4月の上旬にも関わらず90°Fを超えるような日が突然やってきて、寝ぼけた頭で「そうだ、今日はマリブビーチで昼飯を喰おう」なんて思う日がやってくるとは夢にも思わなかった。
101 Northを30分ほど走り、しばらく山道を走っているとふいに稜線の間から西海岸の海が顔を出すようになり、ときおり道端で見かけるアイスクリームの出店に寄ろうか迷っているうちに、人生初のマリブビーチに到着。ショッピングモールの駐車場やパブリックパーキングはもちろん、ロードパーキングもすべからく埋まっていて、カイジの沼の3段クルーンで落ちる穴がないままふらふらするパチンコ玉のように、大量の車が「目の前でたまたま出発する車」に出会うために彷徨っている光景を目の当たりにしてようやく、今日が週末なことに気がついた。
運良く30分ほどで車をとめることが出来て、Surfrider's Beachへ。長く入っていると低体温症になりそうな冷たい水で泳ぐと、この作曲の旅でのたくさんの出来事が泡のように浮かんでは消えた。
ひと泳ぎしたあとで、ひと目見てここは美味そうだとわかるギリシャ料理のレストランに入り、IPAのドラフトとロブスターソースのパスタで腹も快感中枢も満たし切ったのち、再び101の渋滞を抜けてスタジオへ。
今回の作曲は俺の音楽人生をかけた闘いだと思って海を渡ったのだが、この数ヶ月で気付いたことがあった。闘いであることは変わらないものの、良い結果や成功の中にしかないと思っていた喜びが、それと全く変わらない形で、懸命に生きようとする日々の中にもいたずらっ子のようにワクワクしながら隠れているみたいだ。
自らの創造性と向き合う全ての冒険者たちに、今日はそういう出会いがあるといいなと思う。
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