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POSTED Tuesday, December 20, 2022 00:46

The End of Yesterday.

久しぶりの更新です。ここのところやることが山積みで、なかなかブログを書く時間が取れませんでした。いまからブログを書き終えてアップロードする頃には、日付が変わって俺たちの6枚目のアルバムの、いわゆるフラゲ日ってやつになってるんだと思います。どうしても今日は書きたかったので、時間がとれてよかった。暇潰しにでも読んでやってくださいな。


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ここに来ると(ブログを書く時間の中にいると)、今年の2月にIN-N-OUTの写真とともに、みんなに突然ロスに渡った報告をしたあの日から一本の線が繋がったような気がして、とても居心地がいい。バーバンクの酒屋で出会った日本好きのおっちゃん。いつも勝手に次のミモザを持ってこようとする気のいいベーカリーの店員たち。大好きだった本当にただのスーパーマーケット。カフエンガ通りにずっと停まったままの壊れたキャンピングカー。


会う度に別人かと思うぐらい気分屋なアルゼンチン料理屋のおばちゃん。最初に借りたアパートの裏庭に咲いてた真っ赤な花。高速道路の入り口の目印にしてた映画の看板。寒くて買った厚手のパーカー。夜中の高速道路から毎日眺めた夜景。なにもかもが全く色褪せないよ。この一年は毎日が冒険で挑戦だった。


俺は人生で最高の旅をした。目的地は今この瞬間。


この人生で最後の大勝負をしよう。そう思って挑んだ旅がようやく終わる。絶対にここまで来よう。それだけを毎日思ってたから、いまこの瞬間が本当に嬉しい。


右も左もわからない街で少しずつ安心できる場所を見つけて、その全てが音になっていくのはとても楽しかった。ここまでかと思うことも一度や二度じゃなかったけれど、この勝負に悔いを残すことだけはしたくなかったから、諦める気にはならなかった。


本当にたくさんの人に支えられてた。レコードを楽しみにしてくれてるひとたち、ブログを読んでくれてるひとたち、ラジオに送られて来るメールを読むたびに勇気づけられたし、無数の手が俺の背中を押してくれてると感じていた。そしてなにより、こんなやつを信じてくれたメンバーたちと、常に隣で支え続けてくれた妻には感謝してもしきれない。


ここまで書いて、ぶっちゃけ何を大袈裟な(笑)って自分で思ってきちゃったからそろそろ終わりにするけれど、それでも、俺のなんてことない人生の中では最長で最大の挑戦だったんだよ。こんな風にゴールした喜びを噛み締めるのは、正直生まれて初めてのような気がする。本当にいい旅だった。


ここから先の道はどんな風になってるのか。ここを抜けたらのんびりとした景色が広がってるのか、はたまた曲がりくねって大荒れなんだろうか。今となっちゃどっちでもいい。最後にこれだけ。


今回の旅を応援してくれたみんな、ほんとうにどうもありがとう!:-) クッソ楽しかった!!!


(↓最後の日、空港の近くでレンタカーを返したときの写真!)

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POSTED Monday, October 31, 2022 20:16

Goodbye Los Angeles.

次にこの街に帰ってくるのはいつになるのかな。


なんて風にのんびりと名残を惜しむ余裕はなかった。最後の数日は文字通り最後の闘いになったからだ。直前の見通しでは予備日を二日残したままレコーディングの全工程が完了して、Robbieの家でみんなでジャック・オ・ランタンを作ったり、帰国前夜は馴染みになったイタリアンレストランでこの旅を振り返りながら乾杯をする予定だった。


(共同生活中にゆういちが作ってくれたカレー。何回も作ってくれました。)

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ロスに来てからの約5週間、作業自体はかなり順調に進み、どうしても歌い直したかった1曲をこの日に録り切れば大団円という土曜日の朝を迎えた。俺自身、もう歌詞も出来てるしコンディションはバッチリだから、と安心しきっていたのだけれど、7月に書き上げてあった歌詞を久しぶりに読んだその瞬間、


「あ、、これじゃ駄目だ。。」


という直感が駆け抜けた。その時の気分を言葉にするのはすごく難しいけれど、やたらと居心地が悪かった。どうしよう。みんな今日で終わると思ってるのに。笑顔で乾杯できると思ってるのに。やめとけって、そんな直感無視しちまえば、みんなハッピーに終われるじゃないか。そう思ってスタジオまで行ったのだが、Robbieに「おはようタケシ、調子はどうだい?」と聞かれてつい口をついたのは「それがさ、あんまり良くないんだよね」だった。やっっちまった、と思った。


「今日のセッションは無しにして、月曜に延期できるかな。それまでにいろいろ完璧にしておくから。」


(レコーディングの真ん中ぐらい、みんなでJamieの家に遊びに行った時の夕陽。)

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そこからは丸まる2日間、Uber Eatsを受け取るとき以外は一歩もホテルの部屋を出ることもなく、再録の準備にとりかかった。夜通し作詞をやり直している間、自分でも自分のことを阿呆だなと思ったし、ぶっちゃけコイツすげえなとも思った。絶対にこのアルバムを最高到達点まで押し上げる、そんな感覚で歯を食いしばってたんだけど、高橋が俺の大好きなお菓子とお水をドアノブにかけておいてくれたり、スコットの全力のサポートもあってそんなに苦にはならなかった。


そんなこんなで帰国の前日、午後11時をまわってようやくレコーディングが終了し、長かった俺自身の闘いも幕を閉じた。なんだかんだ一睡もできないままLAXに向かい、無事日本に帰ってきたのが日本時間で26日。翌日からは毎日ツアーリハだったので、なかなかこのブログを更新する時間がとれなかったです。ごめん!


(おや、こんなところに。次は沖縄で会いたいね!)

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2月からここまで、俺たちのバンドの過去最大の挑戦を応援してくれてありがとう。今日のブログに書いたのは俺の挑戦のほんの一幕だけれど、3人のメンバーも、スコットも、それぞれいろんな局面を闘い抜いていたよ。本当に頼もしかった。でも、いくら作業が大変でも、5人でいるときはただただメチャクチャ楽しかったし、結局はそれが何よりも大事だった。


空港でウブに「最後の飯とか行けなくてごめん」と言うと、「いや、なんか、やるんじゃないかなと思ってました(笑)」だって。ガキの頃からの付き合いだもんな、と思った。


さて、まだまだアルバムの完成までにやるべきことは山積みで、そのどれも手を抜けない。油断してボケーっとするのはまだだいぶ先だ。それでも、俺は明日からのツアーを本当に楽しみにしている。「楽しむ」ことは大人になればなるほど難しくなってくる上に、楽しんでいると怒られそうな風潮すらあるような気がするけれど。明日はいっぱい笑おう。


楽しみじゃあああああ!!:-)


(出発まで8時間ぐらい。無理して飲み行った最後の夜。)

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POSTED Saturday, October 15, 2022 03:20

Burgers Never Say Die!

ロサンゼルスの朝はだいたい曇っていて、日が高くなるにつれピーカンになり、朝食を摂り終わる頃には雲一つない晴れ渡った空が拡がるのだが、秋になると気温のせいか青空が顔を出す時刻が遅くなり、また日中も雲が残っていることが多い。2月にこの街に来た時はまだ夜は寒くて、厚手のパーカーを着ていても歯がカチカチと音を立てることがあったものの、3月ごろからは、そしてつい半月ほど前までは、ずっと夏をどこかに感じていた。


(↓今朝の空。)

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ああ、本当に夏が終わったんだな。


そして、長かったこの旅も終わるんだな。


日々涼しく、そして寒くなっていく季節とともに、毎朝そう感じる。その気持ちがどんどんふくらんでいくと、最後にはいったいどういう気持ちになるんだろう。Hollywood Walk Of FameでのSnoop Doggみたいに、「1日も休まなかった自分に、そして決してやめなかった自分に感謝したい」なんて冗談を言いたくなるかもしれない()


ブログの更新がここまで空いたのは、時間的/精神的余裕がなかったこともあるけれど、なにより「順調です」なんて書いた日には翌日に風邪を引いて全部が延期になったりしそうで、油断につながることはしたくなかったというのが本当のところだ。めっちゃ更新頻度の低かったこのブログを2月から読んできてくれた人がいたら、ほんとうにありがとう。どうやらアルバムは完成しそうだよ。(フラグになりませんよーに!)


(↓ギター録りは完了!)

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今日はこれからドラム録音の最終日。雄一がロスに戻って来たら残りのベースを録り切って、あとは3曲の歌入れと、1曲の歌い直しを残すのみだ。ここからは体調とメンタルが重要になってくるので、時間が許せば軽く走るつもり。


まだ終わってないのでもちろん油断は禁物だし、ここからどんな歌が歌えるのかで作品自体も変わってくるから本当に喜ぶ瞬間はまだ先だけれど、一生でこんな挑戦ができるのはきっとそう何度もない。なにから手をつけていいのか分からないまま勢いでロスに飛んできたあの日から今日までを振り返ると、人生はまだまだ冒険に満ち溢れていると感じる。大事なことは結果ばかりを求めることじゃなくて、どれだけ自分の心に耳を傾けられるかの方が、俺には遥かに大事なんだなってことを改めて知ることができる、素晴らしい旅になりそうな予感がしている。


(↓ドラムREC)

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今回ロスに来てからそろそろ一ヶ月。あと少し。みんなの顔をライブハウスで見れること、トシロウを筆頭に仲間たちと久々に飲みに行けること、そして奥さんとゆっくり眠れる日を夢見て、残りの日々をがんばります。:-)


(↓今年一年一緒に突っ走ってこれたメンバーたち。頼もしいことこの上ない。)

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